2026-01-16

デザインリニューアル

サイトのデザインをリニューアルした。前のデザインに比べると一貫性があって落ちついた雰囲気になったと思う。

さて、前のブログも今のブログも Next.js の静的サイト生成 (Static Site Generation) で作られている。技術としては、前の状態と変わらないわけだがコードは一から書き直している。

技術的な新規性

技術的に違う点としては、次の三点だ。

  • UnoCSS → TailwindCSS
  • Feature Sliced Design
  • RadixUI、shadecn/ui

これくらいであれば作り直すのではく、既存のコードに手を入れるのでもいいように思うかもしれないが、ここ数ヶ月の経験から直接コードに手を加える必要のない環境、つまり、AI ファーストなコードベースに移行しておいた方が今後機能を加える上でトータルコストを抑えられるという判断をした。

AI ファーストなコードベース

ここで AI ファーストなコードベースというのは、人の判断によるコード分割や実装を含まず、ほぼ全ての設計、コードレベルの実装方針をプロンプトによる指示で行うことを指している。つまり、生成されるコードの詳細に差異はあれどプロンプトのみで再現可能なコードベースということを意味している。与えるプロンプトには何か特別な技術や工夫を必要とせず、意図した成果物へ誘導するくらいに留めている。長文のプロンプトは与えず、基本的にはこの記事の 1 センテンスと変らないくらいの文量を都度与えて実装した。この記事全体の方が LLM に与えたプロンプトすべてのプロンプトよりも長いくらいだ。 Next.js を使って GitHub Actions 上でビルドし、GitHub Pages に公開するのは、ブログで記事を一つ書くよりも少ないタイプ量で実現できてしまう世界になっている。

リニューアルの理由と実装にかかった時間

わざわざ一からブログを作り直したのには他にも理由がある。いくつかこのブログ上に追加していきたい機能を考えている。それらは単独のサイトとしてもいいが、どうせならお小遣い程度でもいいのでお金が貰えると嬉しいので Google Adsense の申請が通っているこのサイトをベースにしていくことにした。

与えたプロンプトの量については先ほど言及した通りだが、時間については 6 時間くらいしかかかっていない。 ChatGPT(Codex)の Pro プランに契約していたらもっと早く終っただろう。 6 時間かかってしまった理由は、1 セッションあたりの利用上限に到達したのが理由だ。つまり、1 セクション(5 時間の利用枠)と少しの使用でサイト移行が完了した。

サイトデザイン

サイトのデザインについて、少しだけプロンプトで指示を与えたが基本的には Codex 任せにしている。修正したのはどのコーディングエージェントでも発生してしまう AI 固有のデザインの修正だけだ。 AI っぽさについては、各所で指摘されているところではあるが代表的なものとして次の点が上げられるだろう。

  • 紫/青系グラデーション、ダーク背景、淡い差し色
  • ガラス/半透明や、控えめな影・柔らかい発光
  • Inter/Roboto系のニュートラルなサンセリフに寄る
  • 見出しは極太・本文は薄め、行間広め
  • 角丸のカードが等間隔に並ぶ
  • アイコン付きの特徴カード、CTAボタン、FAQアコーディオン、などが定型配置
  • 抽象的な3Dブロブ、等角投影イラスト、絵文字風アイコン
  • 典型的なSaaSランディングの並び
  • ほぼすべて中央揃え・均整重視

上記の AI っぽさは ChatGPT 5.2 Thinking の DeepResarch で出させたものだが、すべて心当たりがある。このブログの新しいデザインでもある程度は取り除いたつもりではあるが、それでも AI っぽさが随所に残っている。

これらの傾向は Codex よりも Claude Code の方が強いように感じている。これは単に Codex よりも Claude Code を使っている時間が長く、Claude Code で作っているソフトウェアの方が多いからなのかもしれない。それでもサイトデザインについては、Claude Code より Codex に軍配が上がる状況なのではないかと思っている。

これからのコーディング

これで終わってしまうと、単にサイトをリニューアルしましたという記事になってしまうので、これからのコーディングについて所感を書いてく。個人的な開発だけでなく、会社でのコーディングもほぼコーディングエージェントを使ったコーディングだけになってしまっている。この辺りについては勤めている会社によって格差が生れているのではないかと思う。会社から Claude Max プランに相当するライセンスが与えられている人と、Pro プラン相当のライセンスや GitHub Copilot だけが与えられている人では、コーディングエージェントに対する意見が全く変わってくると思う。これらの間には文字通り全く異なる体験と言えるほどの差がある。 3G 回線と 5G 回線、ADSL と 10 GB の光回線(ADSL は今の人には伝わらないか?)くらいの差があると言ってもいいのではないだろうか。

一般の人の Claude に対する評価とプログラマーの Claude に対する評価が全く異なるのはこのあたりも理由だと思う。プログラマーは Claude Opus 4.5 を潤沢に使える環境(最低でも Max プラン) を前提にコーディングタスクにおいてモデルの優劣を評価している。その点において、Claude Opus 4.5 と並ぶモデルは現時点において存在しないと思う。 GPT-5.2-Codex をレートリミットを気にせず使い倒せる環境ではないので、Claude Code と同じくらい使い倒したら評価が変わる可能性があるかもしれないが、コーディングという点においては Anthropic 一強がこれからも暫く続くだろう。それでも Codex が全てにおいて劣っているかというとそうではない。用途によっては Codex の方が優れている点はある。コーディングも Claude Code に比べていると大きく遅れを取っているかと言われるとそんなことはないと思う。実際にこのブログの 99% は Codex によって実装された(レートリミットに到達した時間の間に少しだけ Claude Code を使った)。

一般的なユースケースで多くのユーザーが決定的な性能差を感じられていない、ということが今後は LLM モデルを開発している企業が、次のいずれの選択、もしくは複数を平行して進めていくのか、という判断を迫られているのだと思う。

  • 性能を維持してコストを抑えたモデルの開発
  • モデル単体の更なる性能(複雑なタスクへの対応)向上
  • トークン生成速度の向上
  • 自前のモデルを活かしたサービス開発を優先
  • マルチモーダルの強化

これらはそれぞれが独立しているというわけではないが、それぞれの点で中途半端であれば今後の競争を生き残るのは難しいだろう。現時点で一般ユーザーが LLM として提供できる機能の精度、速度に満足しつつあることからエンタープライズ領域を主戦場とする Anthropic と一般向け機能の強化を図る OpenAI の選択は、短期的な利益という点に留まらない差ができるのではないかと思ってしまう。

話がコーディングから逸れてしまったが、Claude Opus 4.5 はエンジニアからコーディングというタスクを取り上げるだけのポテンシャルを業務レベルのコーディングで既に示している。最近になって著名なプログラマーも同じようなことを言っているが、同じことを末端のプログラマーでさえ感じている。もはや、コードが書けるだけのエンジニアの居場所は無くなってしまうだろう…。

ただ、これは悲観することではなく、コーディングに取られていた時間を他のことに当てられるということなので、既にエンジニアとして職を持っている人にとってはポジティブな変化だと思う。しかし、今後プログラマーに求められるスキルセットは確実に変化する。問題は、これまでもそうではあったが最新の開発環境にアクセスするというのがこれまで以上に困難になるということだ。どこで働いているか、月に数万の個人的な出費を許容できるかによって得られるスキルに大きな差が生まれてしまっているのが現在だ。